今日も1日終わっての入浴。
身体に磨きをかけた後の脱衣所で、あまりお世話になりたくない物に目がいってしまった。
「・・・最近のってなかったっけ。」
別に怖い訳じゃないのよ、ちょっと忘れてただけ。
だからだいじょうぶ。
私は私にそう言い聞かせてそれに片足ずつのせた。
針が動く、それが落ち着くまでのほんのわずかな時間が長く感じる・・・

「・・・え?」
気のせいよね、針の位置が前よりずれてる・・・大きい数値の方に。
「うん、ここは湯気で曇ってるから見間違えただけよ」
私は着替えとそれをもって素早く自分の部屋に滑り込む。

部屋の真ん中にそれをおいて、深呼吸一つ。
そして改めて片足ずつそれに乗っていく。
・・・
・・・
「いやぁぁぁぁぁぁーーーーーっ」
静かな夜の一時は、恋の悲鳴で終わりを告げた。




「どうしたんだ、恋! なにかあったの・・・か・・・」
私の悲鳴を聞きつけた同居人で義理の兄であって、そして恋人の大輔が
部屋に飛び込んできた。
心配する言葉は途中でとぎれとぎれになる。
大輔の顔が急激に赤みを増していく。
「・・・みないでよ!!」

「ご・・・ごめんっ!」
そう言って大輔は部屋から出ていった。




パジャマに着替えてから改めて大輔を部屋にいれた。
二人並んでベットに腰掛ける。

「恋・・・だいじょうぶか?」
「なんでもないの」
「そんなわけないだろ? あんな悲鳴あげて・・・きになるじゃないか」
たしかにそう言われると説明しないといけないかなって思う。
でもこんなこと説明なんてしたくない・・・

「恋?」
「なによ」
「俺達の間に隠し事は無しだぞ? 悩みがあるなら俺にうち明けろ。
 それで恋が楽になれるかもしれないし、駄目なら一緒に悩んでやる」
「大輔・・・」
卑怯だよ、こんな言い方・・・隠せないじゃない。
でも、だから好きになったんだと思う、不器用ながら一生懸命な大輔だから・・・
「あの、笑わないでね?」
「あぁ、約束する」
「本当?」
「俺が約束を破ったことあったか?」
「たくさん」
「・・・俺を信じろ」
「大輔・・・目が泳いでる」
・・・ちょっと不安。

そして私はそっとうち明けた。
「太った?」
「ちょっと、そんな大きな声で言わないでよ!! 恥ずかしいじゃないの!!」
大輔、くちもと笑ってる。笑わないっていったのに・・・
「それにその程度は太った内にはいらないんじゃないのか?」
「酷い・・・女の子にとっては大事なのよ? それをその程度なんて・・・」
「あ・・・ごめん」
「最低よっ!」
「・・・」
あれ?
返事ない・・・言い過ぎたかな? でも女の子の大事な問題をその程度だなんて
言う方が悪いのよ。たまにはいい薬よ!
「・・・あのさ、恋」
「・・・なによ」
「おまえさ、太ってなんかないよ」
「気休めなんて言わないで!! 実際増えてるんだから・・・あっ」
突然大輔が私の背中から抱きしめてきた。
「ちょっとなによ・・・ひゃんっ」
大輔の大きな手が私の胸を触ってきた。
「何してるのよ、えっち・・・あ」
そのままお尻のなでてくる。
なんか今日の大輔、いつもより積極的・・・でも情けならいらない。
「恋・・・おまえさ、太ったんじゃなくておっきくなっただけだよ」
「・・・え?」
「胸もお尻も大きくなってるんだよ」
「えー?」
「あん・・・そういえば最近ブラがすこしきつく感じた気がしたけど」
「胸もお尻も脂肪だからな、確かに大きくなれば体重も増えるわけだよ」
そうなんだぁ・・・安心したら力抜けて来ちゃった。
「と、ところで大輔、いつまでさわっているつもり?」
「あ、ごめんごめん。さわり心地良くってつい・・・」
そういいつつも私の胸から手を離さない・・・
いけない・・だんだん感じて来ちゃってる・・・
「お? さきっぽ固くなってきてるな」
「イヤ、言わないで」
「こっちはどうかな?」
「ん・・・」
「期待・・・してるんだね」
「んんっ・・・大輔・・・」
なんだか私・・・流されてる・・・でも、気持ちいい・・・
「・・・そんな顔するなよ、ちゃんとするからさ」
「ねぇ、キスして・・・」











「お兄様、こんにちは。・・あら? なんだかお疲れのようですね」
学園の屋上の椅子に座ってる俺の所に恋と藍ちゃんが訪ねてきた。
お昼休み、ここでいつも一緒にお弁当を食べる約束をしてるからだ。
「あ、藍ちゃん・・・こんにちは。ちょっと恋のダイエットにつきあっててな」
「でも恋ちゃんはとっても元気ですわよ? お肌のつやもよろしいですし」
「良く食べて良く運動して良く寝てるもの」
「くすっ、あまりお兄様に無理させちゃだめですわよ?」
「だいじょうぶ、若いんだから。ね、大輔?」
・・・だからって毎晩はないだろ。
「ほら、時間なくなっちゃうからお弁当食べましょう!」
広げられたお弁当はいつにもまして豪華な感じがした。

「ごちそうさまでした」
3人の挨拶が綺麗に揃う。
「恋ちゃん、それでは参りましょうか」
「うん、いこっか・・・お兄ちゃん、また帰りにね」
「あぁ・・・俺はもう少し休んでから行くよ」
恋ちゃんと藍ちゃんが教室へ戻っていく、その前に恋がそっと俺に耳打ちしてきた。

「大輔、今夜もいっぱい愛してね


作: 早坂充


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